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ほとんど衝動買いに近かったこの買い物ですが、当時の曲を今聴き直してみても、なかなか印象的な音が出せたんだなとしみじみ思います。が、使用期間が短く記憶も曖昧なわりには、使い勝手がそれほど良くなかったということもはっきり言えそうな気がします。それまで使ってきた少ない機材の系譜からいくと、あの横に長いLCDにパラメータが横並びになってるのを見ると、どうしても未改行の箇条書きのように思えて違和感があり「なんで横文字が横に並んでるんだ、そんなに横に並べたいというのなら縦書きにしろ」と怒ったりはしませんでしたが、たとえばLCD上にパラメータが4つあると、1番左から1番右のパラメータまでがどうしても遠く感じてしまって、その間を行き来してるとなんだか疲れるんで、とかいう心身共に軟弱なことを言っていては駄目ですか。
まあそれは放っておくとして、操作自体も(あの頃のデジタルシンセは大方がそのようだったと思いますが)あまり優れたものではなかったと憶えています、なかでもオペレータの切り替えの煩わしさを感じた人は多かったのではないでしょうか。と思って写真を探して見ると、あの憎き横長LCDの下にボタンが8つ、ちゃんとある。8オペレータのFM音源ですから、常識的に考えるとひとつのボタンがひとつのオペレータに対応して呼び出せるような気がするのですが、おかしなことにそんなに便利だった憶えがありません。おそらく、オペレータ毎のオンオフができた程度だと思うんですが、ただでさえあやふやなこのHPの中でも、この記事のこの部分は局地的に朧げなのでメディアリテラシーという言葉を肝に銘じてお読みいただくよう念を押しておくことにします。

一方、音のほうはというと、ノイズ混じりの音というかピッチの聞こえるノイズというか、TRINITYソロシンセのコムフィルターに似ているような(仕組みは全然違うようですが)、そんな音が気に入ってました。あと、同じFM音源であるシンセサウルスの記事でも書いたと思いますが、ポルタメント。やっぱりポルタメント好きです。手間いらずだし。それから個々のオペレータのレベルをコントロールチェンジで操作できたので、音色の変化もかなり多様でした。欲を言えばオペレータのピッチもモジュレーションが効けばよかったんですが、それは贅沢というもの。それから、よく言われるようにFMのベースはやはり堅めです。もともとサイン波が出力されるようにできてる機械ですからローもわりと出せたと思うんですが、素のままでは細い音です。細い音、好きですけど。

店頭で見かけて、気になってやってみた人もいるかと思いますが。アルゴリズム一覧表が引き出しの要領でペロッと出てくるのは若干おもしろいです。もっとスムーズに引き出せるかと思ったら、案外ひっかかったりつっかえたりして難渋しましたが、なかなかのアイデアだなと思います。で、他の音源にも付けたらと考えましたが、いちいち何かを参照しながらエディットしなくてはならない音源って他に思い付かないので、付けたからといってそれほど便利にはならないですね。

よくよく考えてみると、今まで使ってきたなかでQY10、QY20以降エフェクターを内蔵してない音源というのはこれのみ(サンプラーを入れればFZ-1もSU10もエフェクターなし)。音が細いとかいう印象を抱いたのは、当たり前といえなくもありません。でもそこを割り引けば、もうちょっといじってたかった音源だと思います。最近のYAMAHA製品のFMがどれだけ進歩したのか、触ってみたいところ。店頭ではなく、もっと腰を落ち着けて。

(2000.01/13)